看護師の人手不足の現状とその原因について

看護師は需要が高く安定した職業として人気がありますが、医療現場では深刻な人手不足に悩まされています。
看護師不足のため、常に看護師の募集を行っている医療施設は珍しくありません。
看護師として仕事に就いても、やがて離職してそのまま復職しない者も少なくありません。
このように、看護師資格を持ちながら臨床現場で働いていない者は、潜在看護師と呼ばれています。
こうした慢性的看護師不足の原因として、夜勤などの不規則勤務による生活の乱れが挙げられます。

人手不足の現場では、看護師が月に7回も夜勤を課せられることも珍しくありません。
このような激務を余儀なくされる看護師は、健康を害しやすいのです。
また、家事や育児と仕事を両立させることが困難になります。
夜間も子どもを預けられる託児所は、極めて少ないのです。
こうして、長期間現場から遠ざかった看護師は、たちまち日進月歩の医療技術に遅れをとってしまいます。
自分のスキルが現場で通用しないと感じた看護師は、益々復帰を躊躇ってしまうでしょう。

そこで、潜在看護師を現場復帰させ現役看護師を増やすために、様々な工夫が為されています。
夜勤免除や短時間勤務の正規職員の雇用促進も、看護師不足を解消するための施策の1つであると言えます。
日本看護協会は、働き方改革の政策に合わせて、こうした柔軟な勤務形態の提唱を行っています。
産休だけでなく、看護師に有給の育休を保証する職場も少しずつ増えてきました。
施設内に託児所を設けて、夜間も子どもを預けられる職場もあります。
夜勤についても、医師と同様に仮眠を認める医療施設も散見されるようになりました。
こうした改革が奏功すれば、看護師不足の解消に繋がると期待されています。